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『つるや』は東京・浅草のつるやで修行した先代店主、縣鶴次が大正十年、暖簾分けで両国につるや支店を開店したことから始まりました。関東大震災で一時は休店したものの再開、その後、昭和八年頃に地元の静岡県舞阪町に戻り、現在の場所に店を構えました。震災の折に先代店主は何をさておき秘伝のたれが入った瓶を抱えて逃げたという逸話を残しています。舞阪町で開店した頃、うなぎの蒲焼を出す店はほとんどなく、うなぎはたいへん高級品でお客様も少なかったということです。そこで先代店主は、地元の旅館に蒲焼を納入して宿泊客の舌を唸らせていたものでした。この頃から、つるやのうなぎは冷めてもおいしいと評判をいただいておりました。やがてうなぎが広く食されるようになり、つるやの名も知られて店は繁盛していきました。 |